株式会社Cone・Xi(コネクシー)
目指すのは、誰でも・いつでも、行きたい場所に行ける環境づくり。
看護師のスポットワーク支援アプリを開発。

目指すのは、誰でも・いつでも、行きたい場所に行ける環境づくり。 看護師のスポットワーク支援アプリを開発。

「chokowa」開発者の高木さんにインタビューしました!

今回考案したアイデアの紹介をお願いします!

看護師のスポットワークを支援するアプリを開発しています。

高木さん 「チョコットワーク」の略で「chokowa」、ひと言でいうと、看護師がスポットで働くことを支援するアプリになります。在宅医療に特化した訪問看護ステーションなどと連携して、スポットの外出支援という形で働きたい看護師や、イベントナースとして働きたい看護師を対象とするところが特徴です。

全国には潜在看護師と呼ばれる方が数多くいますが、出産や育児などで現場を離れている方々をターゲットに想定しています。そうした看護師と、看護師を募集している訪問看護ステーションや病院をつなぐイメージです。外出支援にもいろんな形があり、出かけた先での吸引が必要だったり、食事に関して胃ろうが必要だったり、ご自分でおしめの交換ができない方などへの支援を行います。

発案のきっかけは何ですか?

スポットワークが、看護師の人材不足を解消すると確信しています

高木さん もともと看護師経験があることと、姉が2人いるのですが、出産と育児の後で「働きたいタイミングで働けない」という話を聞いて、いつか解決したいという思いがありました。私が働いていた病院でも同じような境遇の方がいる一方、全国的に看護師不足が深刻になっているという指摘もあります。

事情があって職を離れている看護師たちがスポットで働けるようになれば、人材不足の問題を解決できるのでは、とも考えました。

外出支援に特化しようと思った経緯には、私の看護師としての経験が大きく関わっています。担当した患者さんはサッカーが大好きでしたが、筋ジストロフィーだったため人工呼吸器も必要でかつ車椅子でしか移動できません。

私が付き添ってその患者さんをある車椅子サッカーのイベントへ連れて行くと、とても喜んでもらうことができ、車椅子サッカーに行くのが楽しみになって体調を崩すことも少なくなったとのことでした。その患者さんのためでもあるし、こうした経験を他の移動困難者、障がいがある方が経験することで、長い目で見れば社会保障費の削減にもつながるでしょう。この経験が行動を起こす原動力になった気がします。

利用された方からはどのような声が寄せられていますか?

移動が困難な方と、その家族のQOLを高めるという目標に近づく実感があります。

高木さん 去年の実証では、普段無口な旦那さんの表情がぱあっと明るくなり、ご夫婦に笑顔が戻ったのが印象的でした。

また、普段は自宅と学校を往復するだけの子どもが初めて見るレースの迫力に圧倒されて、とても興奮していたのを思い出します。お母さんは「貴重な経験ができてよかったね」と、涙を流していました。

このサービスは、家族にレスパイト(身体的・精神的な休息)を提供することも目標にしています。患者さん、障がいのある方はもちろん、利用することで家族のQOLも向上させることを意識しているので、お母さんの涙は特に印象に残っています。

また、外出支援を実現するには介護事業者さんとの連携が欠かせません。デイサービスを利用する方は多いのですが、複数の事業者が福祉車両に乗り合い、広い地域の患者さん、障がいのある方を外にお連れする仕組みは他にないため、「移動支援の輪として広がり、新しい形ができればいいですね」という感想もいだたきました。

福祉、介護にもいろんなサービスが生まれていますが、自分たちの独自色を出す意味で外出支援に力を入れている事業者もいます。そういう方々と協力しながら課題を乗り越え、新しいサービスとして定着させていきたいですね。

本コンテストでの挑戦、実証内容はどういったものになりますか?

看護師さんの支援を受け、自由に外出できるよろこびを多くの方に体験していただきます

高木さん 今回は栃木県での開催ですが、私はまったく土地勘がなく知り合いもいないため、前回のような取り組みができるのか、手探りの部分もあります。

介護施設との連携で福祉車両を手配し、栃木県におられる利用者さんを集め、chokowaに登録されている看護師さんとマッチングして、サーキットまでの送り迎えを実証したいと思います。

前回の実証で不足していた事前の環境整備に加え、岡山以外でも持続可能にするというこの2点が今回の大きな課題だと位置づけています。

もう1つ挑戦したいのは、医療保険や介護保険に頼らない保険外サービスとして、誰でも気軽に外出支援ができる仕組みづくりです。保険適用外でも低価格で利用でき、手続きも簡単に外出できるようになれば、利用する方も増えていくのではないでしょうか。

現在1つのビジネスモデルとして想定しているのは、地域の企業から料金をいただいて提供する福利厚生サービスです。社員の家族が高齢になったり、認知症になったりしたときや、事故で体に障がいが残ったときに利用できるサービス、というイメージです。

chokowaに登録している看護師を利用することで、在宅看護や外出支援が受けられれば、介護離職を防ぐなど、会社にもメリットが生まれるはずです。既に岡山の企業とそうした取り組みを進めており、新しい保険外サービスとして育てていきたいと考えています。

最後に本コンテストにかける想いをお願いします!

みんなが生きがいを持って暮らすことで、医療や介護のない社会をつくりたいと思います

高木さん 高齢者、障がいのある方を含め、一人ひとりに生きがいを持って過ごしてもらうことで、医療や介護が必要ない世界をつくりたいです。私たちのサービスを利用しながら、最終的には、みんなが自分の足で自由に移動できる世界が実現できたら、素晴らしいと思います。

目指すのは、誰でも・いつでも、行きたい場所に行ける環境づくり。 看護師のスポットワーク支援アプリを開発。
【株式会社Cone・Xi(コネクシー)】実証チーム紹介 | Mobility for ALL 2023
プロジェクト代表者
代表者写真
プロジェクト代表者
高木 大地
急性期病院や訪問看護事業所で看護師として従事後、業界の人材不足を痛感し、2017年に株式会社Cone・Xiを設立。
スポットで働くことが出来ることで、潜在労働力を呼び起こし、看護師の人材不足を解決すべくchokowaを開発・運営。
現在は、スポットバイトで移動困難者の外出支援ができる仕組みを構築中。
「いきたい」を実現!看護師同行の外出支援でみんなに移動の可能性を
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2023.7.27
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