アーキネット+awn
エネルギーを自給自足できる屋外トイレで、障がいのある方の不安を解消。
将来は森林保全の取り組みにもつなげたい。

エネルギーを自給自足できる屋外トイレで、障がいのある方の不安を解消。 将来は森林保全の取り組みにもつなげたい。

mobile cube開発者の織山さんにインタビューしました!

今回考案したアイデアの紹介をお願いします!

障がいのある方の、外出時のトイレ問題を解決します。

障がいのある方が、野外活動をためらう大きな要因となるトイレ問題を、mobile cubeを利用したシステムで解決することを目指しました。

mobile cubeは、もともとオフグリッドで成立し、どこでも生活できる最小限の住宅として開発されたものです。オフグリッドについて補足すると、太陽光パネルで自家発電した電気をバッテリーに蓄え、エネルギーを自給自足するシステムのことで、エアコンやドライヤーなどの家電、パソコンなども使える環境を構築しています。

トイレに関して、水は循環式、ろ過装置を搭載しているため、水を何度でも繰り返し使うことで無駄を省く設計です。電気や水道などのインフラがない場所でもトイレの提供が可能になり、障がいのある方も出先でトイレの心配をせずに済みます。燃焼式で、用をたすと下の器で受け止め、プロパンガスで燃やす燃焼式という仕組みを採用しているのも特徴です。燃焼スピードは想像以上に速いため、嫌な臭いもありません。

開発でのこだわりを教えてください。

森林環境を大切にするため、環境負荷も低減も視野に入れています。

ずっと都市向けの集合住宅を企画開発していましたが、都市の暮らしを成り立たせるにしても、森林環境を大切にしなければいけないと考えるようになりました。何かできることはないか、あれこれ思いめぐらせているとき、長野県でりんご栽培をやっている方と話す機会がありました。収穫などをする場合、作業の拠点が必要だという話になり、市販のトレーラーハウスを調べたものの、納得できる機能を持つものはなかったのです。それなら自分たちでつくってみようか、となりました。

パッと見は狭そうに感じるかもしれませんが、実際は見た目以上に快適な居住性があり、素材にアルミを使い、経年変化に強いところも特長になります。木でつくったほうがエコのように思えますが、木製だと数年でボロボロになることもあるため、トータルで見ればアルミの方がいいと判断しました。また、自然に溶け込むデザインにもこだわっています。

利用された方からはどのような声が寄せられていますか?

想像以上にきれい、快適だったと上々の評価をいただきました。

昨年の実証実験にも参加させていただきましたが、mobile cubeを設置したのは、施設のトイレから遠い不便な場所でした。そこで多くの人に利用していただき、「想像以上にきれいでした」「快適に使えました」など、とても高く評価してもらいました。

アルミの断熱パネルを使っているため、炎天下のサーキットでもクーラーの恩恵を十分に感じられ、トイレでゆっくり、快適に寛げると評判になったようです。障がいのある方だけでなく、レースに参加されている方からも「こういう設備があるとありがたいと思います」とご意見を伺いました。

車椅子の方の利用が少し心配でしたが、勾配のゆるいスロープを備えると、みなさんスイスイ移動されていたので、大きな問題はありませんでした。

実証に向けて苦労していることは何ですか?

使用していない時間にどう有効活用するか様々な案を検討しています。

車検証を取る、ナンバープレートをつける等、手続きにはけっこう時間がかかりました。自治体の方とお話をすると、実際にモノを見てみたいとなり、宿泊施設が近くにない観光地で利用できるかもと、関心を持っていただいたこともあります。

災害用に設置しておく、という使い方もあるかもしれません。そのまま置いておくわけにはいかないので、普段は別の場所で使いながら、災害時は緊急トイレに使えるような契約ができれば、という話もうかがいました。災害対応という側面はmobile cubeの1つの可能性かもしれません。

本コンテストでの挑戦、実証内容はどういったものになりますか?

レジャーから始まり、地域の価値向上につなげたいと思います。

前回は、障がいのある方向けにローダウンして、手すりをつけたタイプで参加しました。車椅子でもスムーズに利用できるかどうかの実証実験でしたが、その結果もふまえて新しい挑戦をしたいと考えています。

今後の展開として、キーワードになるのが「シェア」です。例えば、個人で森林、棚田、砂浜などに設置するにはハードルが高くても、施設、自治体を含め、複数でシェアしながら使い分けていけば、いろんな場所で、多くの障がいのある方に使ってもらえるようになると思います。そういう仕組みを提案していきたいです。

理想は、mobile cubeの設置により、障がいのある方の不便、不満を解消するのはもちろん、地域の価値を高められること。最初は遊び、レジャーで訪れた人が、その地域の価値に気づき、ゆくゆくは定住を考える人が増えるような流れをつくりたいと思います。

最後に本コンテストにかける想いをお願いします!

障がいのある方がアウトドアや自然を身近に感じることで、森林保全につながるサイクルに繋げたいです。

この取り組みを通じて、最終的に実現したいのは森林の保全です。森林には浸食を防ぐ、水を浄化する、洪水を防ぐなどの機能があり、保全による経済効果は70兆円ともいわれています。森林が保たれれば、ダムや堤防を必要以上につくる必要もなくなり、100年、200年先に自然環境を残せるようになるでしょう。障がいのあるなしに関わらず、すべての人がアウトドアで快適に過ごし、自然に興味を持つことでそれが最終的に森林保全の活動につながる。そんなサイクルが生まれればいいなと思います。

エネルギーを自給自足できる屋外トイレで、障がいのある方の不安を解消。 将来は森林保全の取り組みにもつなげたい。
【アーキネット+awn】実証チーム紹介 | Mobility for ALL 2023
プロジェクト代表者
代表者写真
プロジェクト代表者
織山 和久
株式会社アーキネット代表取締役。
学術博士・東京大学経済学部卒業。
三井銀行、マッキンゼーを経て、1995 年にアーキネットを設立。以来、コーポラティブハウスの企画・運営に取組み、累計124棟を手掛ける。木造密集地域の共同建て替えなど都市防災の研究も進め、近年は流域治水のための森林保全の仕組みづくりを目指す。
mobilecube 普及のシステムデザイン
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