株式会社JDSCのプロジェクトチームの皆さんにお話を伺いました!
ご提案のアイデアについて教えてください
視覚障がい者の方々が様々なエンターテイメントを体験する際に没入感を上げるためのサービスです。
没入感は対象とするエンターテイメントに対する理解の程度と、一緒に体験をしている人との共感の2つの要素によって成り立っていると仮定した時に、視覚が限定される状況下でその2つの要素をサポートする機能を持たせています。
対象とするエンターテイメントに関連するSNS上での内容を自動的に拾い、分類をした上で、適切なタイミングで音声として返すことができます。
発案のきっかけについて教えてください
自分自身が何かに没入した時に多幸感によって人生を楽しく過ごしているということが原点です。エンターテイメントについての様々な情報が複雑に絡み合い、そこにいる人々と共有をした時に得も言われぬ体験を味わうことができます。人生の目的とはそれを味わうことなのではないか、と思えるくらいのインパクトがあります。情報を得る、その場にいる人々と共感するという点で視覚障がい者の方々がハンディキャップを持っていると仮定してサービスを提供することでその本質に近づけるのではないかと思っています。
目指す世界について教えてください
視覚障がい者の方々はひとつのターゲットペルソナの一つであり、いずれはその他の障がい者のみならず健常者も含めてこのサービスの目指す効能を味わえると思っています。視覚障がい者の方々へのサービスの試験提供とそのフィードバックを通じて、機能的な改善だけでなく、没入感の本質を理解・体感することにより、誰もが楽しく個性を発揮して生きていく世界を実現していきたいと考えています。
本コンテストでの取組み内容、実証内容について教えてください
2023年のスーパー耐久とWRCでのPOCの結果、音声での返し方について多くの課題が見つかったのでそれを解消します。具体的には、SNSの内容を事実的、分析的、感情的なものに分類した後に、一斉に返すと煩わしくなるというもので、強弱やタイミングを調整したり、内容もそのまま返すのではなく要約することも含めていくつかのパターンを体験していただき、改善効果を検証したいと思っています。
また、対象者は視覚障がい者の方々としつつも、健常者向けにもう少し視点を広げて、ビジネスシーン、例えば会議の中で応用するなども意識していこうとも考えております。
苦労している点について教えてください
ビジネスモデルが現時点で明確ではない点が課題であり、苦労している点です。今後、社会福祉的な観点も重視しながら、エンターテイメントを提供する側や広告主にとってメリットとなり得る顧客獲得コストの低下など様々な可能性を検討していきます。
また、健常者を中心としたビジネスサービスとして立ち上げることによって、獲得した収益を視覚障がい者の方々向けのサービス費用に充当するといった考え方も想定できますので、このプロジェクトである程度の結論を出したいと考えています。
最後に意気込みをお願いします
社会を変えるのはエンターテイメントの力が大きいと感じています。まずは「楽しさ」から、それを視覚障がい者の方々と一緒に証明していきます!